ぬいぐるみ供養の出し方:圧縮袋の使い方と大量発送のコツ
長年寄り添ってくれたぬいぐるみを手放すときは感謝の気持ちと同時に不安も湧きます。「圧縮袋で小さくして送っても大丈夫?」「大量に送るにはどうすればよい?」そんな疑問に答えるため、準備や梱包、費用の目安をまとめました。神社では毎月1回程度、御霊(みたま)を天に還す式典を行っており、郵送での受付を全国から歓迎しています。供養料の目安は、みかん箱サイズ(縦+横+高さが約100cm)の箱1個分で2,500円=1口と考え、大型や大量の場合は何口分に相当するかで判断します。この記事では、結論から準備、圧縮袋の基準、梱包方法、大量発送のコツ、費用、宛名の書き方、FAQ、チェックリストまで順を追って解説します。
まず結論|圧縮袋は条件付きでOK
柔らかい綿やポリエステルのぬいぐるみは、軽く空気を抜いてサイズを半分程度に減らす「軽圧縮」なら利用できます。軽圧縮後はビニール袋やごみ袋で二重にして外袋を作り、箱の中では緩衝材で固定すると型崩れを防げます。逆に、硬い目や鼻が付いているぬいぐるみ、音声ユニットやワイヤー入りの玩具、毛足の長いモヘアなどは圧縮に不向きです。引越しの専門家は、大きなぬいぐるみを小さな箱に押し込んだり圧縮袋で無理に潰したりすると形が崩れるため「圧縮はおすすめしない」と指摘しています。ぬいぐるみを圧縮すると長時間の保存で元に戻らない場合があり、空気を抜きすぎると毛並みが乱れるので、少しゆるめに圧縮するのが安全です。
富士浅間神社の公式ページ「人形供養のご案内(郵送可・毎月の式典)」をご覧いただくと、供養の流れや費用の目安がわかります。
素材×圧縮袋の可否表
| 素材・タイプ | 圧縮袋の可否 | 理由と注意点 |
|---|---|---|
| 綿・ポリエステル(一般的なぬいぐるみ) | ◯ 軽圧縮可 | 柔らかく復元力がある。空気を抜きすぎると型崩れするので50%程度までにとどめ、二重袋で保護する。 |
| モヘア・ウール系 | △ 圧縮は避ける | 毛足が長く、圧縮すると毛並みの乱れや絡まりが戻らない。ブラッシングだけにして圧縮しない方が無難。 |
| フェルト・装飾が多い玩具 | △ 軽圧縮のみ | リボンやビーズなどの装飾が当たると袋が破れやすい。薄紙で包んでから袋に入れる。 |
| スポンジ・ビーズクッション素材 | × 圧縮NG | 内部にスポンジや粒状ビーズが入ったぬいぐるみは潰れやすく、元に戻らない。 |
| 音声ユニット・ワイヤー入り | × 圧縮NG | 内部機構や針金が変形・故障する恐れがあるので、圧縮せずに箱詰めする。 |
| 硬いパーツ(樹脂製の目・鼻) | × 圧縮NG | 硬質部品が他の部分に食い込んで破損したり、袋を破ってしまう可能性。 |
送る前の準備|素材別ケアとにおい対策
大切なぬいぐるみは、送り出す前に軽くお手入れをしてあげましょう。綿やポリエステルの一般的なぬいぐるみは、表面をやわらかい布で拭き、可能なら手洗いして陰干しします。引越し専門家によると、大型のぬいぐるみは吊り下げると型崩れするため平干しが良く、乾いた後に除菌スプレーで拭き取ると衛生的だと述べています。洗った後は風通しの良い場所で陰干しし、直射日光を避けることで色あせを防げます。モヘアやウールなど毛足の長い素材は洗濯せずブラシで整え、フェルトや装飾が多い場合は薄紙で包んで摩擦を防ぎましょう。湿気はカビや臭いの原因になるため、完全に乾いた状態で袋詰めしてください。
圧縮袋の使い方|OK/NGと失敗例
圧縮袋を使うときは「軽圧縮」が基本です。掃除機でペタンコになるまで吸引するのではなく、手動で半分程度まで空気を抜き、袋の口を閉じたら外側にビニール袋を重ねて水濡れを防ぎます。柔らかい綿入りのぬいぐるみは適していますが、スポンジや装飾が多いものは避けるべきです。以下の失敗例と改善策を参考にしてください。
- 失敗例:バキュームでペタンコに圧縮 – 長時間の保存で形が戻らず、毛並みが寝てしまう。→ 改善策:半分程度まで空気を抜き、ふんわりとした状態を保つ。
- 失敗例:硬質パーツが当たり破損 – 圧縮中に樹脂製の目や鼻が他の部分に食い込み、破損や袋破れの原因となる。→ 改善策:硬いパーツのあるぬいぐるみは圧縮しない。
- 失敗例:鋭利なタグや飾りが袋を破る – 内部のタグがビニールを突き破って空気が漏れる。→ 改善策:飾りやタグは外すか、薄紙や布で保護してから袋に入れる。
圧縮は送料を節約できますが、大切なぬいぐるみのダメージを防ぐことを優先しましょう。
梱包の基本|封入→梱包→発送
発送準備は「封入」「梱包」「発送」の順で行います。まず、供養料とお名前・住所などを記したメモを封筒に入れ、箱のフタの裏に軽くテープで貼ります。封筒はまとめて1箱に入れればOKで、複数箱の場合も紙や供養料は1つにまとめます。
梱包ではぬいぐるみをOPP袋やビニール袋に入れて水濡れや汚れを防ぎ、袋のサイズはぬいぐるみがすっぽり入る大きさを選びます。ビニールが薄い場合は二重にすると安心です。次に、曲げたり潰したりしなくても入るサイズのダンボールを用意し、ぬいぐるみを箱に入れたらエアクッションや新聞紙などの緩衝材をすき間なく詰めて固定します。箱の中でぬいぐるみが動くと箱が潰れたり変形する原因になります。最後にガムテープで蓋をH字に封をして強度を高めましょう。
発送時、送り状の品名は「人形(ぬいぐるみ)」と記入します。富士浅間神社のページでも品名を具体的に書くように説明しています。危険物(スプレー缶・刃物・ライター等)や液体、食品、生き物は同梱できません。送料は元払いで、着払いはお受けできません。なお、宅配業者を利用する場合は箱の中に現金を入れても問題ありませんが、郵便局利用の際は供養料を現金書留で別送してください。
大量発送のコツ|複数箱の分け方・まとめ方
ぬいぐるみを大量に供養に出す場合は、一つの箱に無理に詰め込まず、いくつかに分けると安全です。数十箱分の大量の人形やぬいぐるみでも一括してお受けできます。次のポイントを押さえましょう。
- 分類用の小袋を用意 – ぬいぐるみをサイズ別や家族別に小袋に分けてから箱に入れると、開封時の整理が簡単です。
- 紙・供養料は1箱にまとめる – メモと供養料を入れた封筒はどれか一つの箱のフタ裏に貼り、他の箱にはその旨を備考欄に記載します(例:「全2箱中1箱目に封筒あり」)。
- 宛名はすべて同じ – どの箱も同じ宛先と送り主名で送り、送り状の「ご依頼主欄」や「品名欄」を統一します。複数箱であることを伝票の備考欄に記載すると、紛失や誤配送を防げます。
費用(供養料)の考え方|みかん箱=1口=2,500円
供養料は志(お気持ち)で納めるものですが、富士浅間神社ではみかん箱1つ分(縦+横+高さが約100cm)の量を1口として目安2,500円としています。いくつ入れても良く、箱の大きさも自由ですが、参考としてぬいぐるみの体数と口数の例を表にしました。数が多い場合は厳密に計測する必要はなく、「何口分相当か」で考えて問題ありません。
| ぬいぐるみの体数 | 目安の口数 | 概算の供養料 | 補足 |
|---|---|---|---|
| ~10体 | 1口 | 約2,500円 | 小さめのぬいぐるみ10体程度はみかん箱1個分に収まることが多い。 |
| ~30体 | 2口 | 約5,000円 | 大・中サイズが混在する場合。緩衝材分を考慮して箱を二つに分けると良い。 |
| ~60体 | 3口 | 約7,500円 | 家族のぬいぐるみをまとめて送る場合の目安。 |
| ~100体 | 4口 | 約10,000円 | 雑貨店や保育施設で大量に手放す際など。 |
| 101体以上 | 5口以上 | 約12,500円~ | 数十箱分に及ぶ場合でも受付可能。口数は参考なのでお気持ちで調整する。 |
宛名・品名の書き方(品名は「人形(ぬいぐるみ)」)
送り状は分かりやすく記載することが重要です。下記のように、宛名と品名を明記しましょう。
〒375-0024
群馬県藤岡市藤岡1152番地
富士浅間神社
ご依頼主:[あなたのお名前]
ご住所:[あなたの住所]
品名:人形(ぬいぐるみ)
備考:2箱口/封筒は1箱目
「ワレモノ」「天地無用」などの注意シールを貼ると配達員が丁寧に扱ってくれる場合があります。神社からのご報告はがきを受け取るため、送り主の氏名と住所を正しく記入することをおすすめします(匿名でも申し込み自体は受け付けてもらえます)。
よくある質問
Q1. 圧縮袋で潰してしまった毛並みは戻りますか?
圧縮袋でペタンコにすると毛並みや型が完全に戻らないことがあります。柔らかい素材でも半分程度の軽圧縮にとどめるか、圧縮せずに箱詰めしてください。
Q2. ぬいぐるみは洗ってから送った方が良いですか?
必須ではありませんが、ほこりや汚れを落として陰干しするとカビや臭いを防げます。乾燥が不十分だと湿気がこもるので、完全に乾いてから梱包しましょう。
Q3. 匿名で送ることはできますか?
神社は匿名での供養も受け付けていますが、供養後にご報告のお葉書を送るため、氏名と住所を書いておくことをおすすめします。
Q4. 領収証は発行してもらえますか?
富士浅間神社では希望すれば領収証(受領書)を発行します。申込時に「領収証希望」とメモに記載してください。
※受領書に関する情報は公式サイトのQ&Aに記載があります。
Q5. 着払いで送ってもいいですか?
送料は送り主の負担で、着払いは受け付けていません。宅配便か郵便で元払いにして発送してください。供養料は封筒に入れて同梱するか、郵便局の場合は現金書留で別送します。
発送前チェックリスト(10項目)
- ぬいぐるみを素材別にケアし、乾燥した状態にした
- 綿・ポリエステルは軽圧縮(50%程度)/モヘア・装飾多めは圧縮しない
- ビニール袋やOPP袋で二重に包んで水濡れ対策をした
- 供養料とメモを封筒に入れ、箱のフタ裏に貼った
- 箱の中に緩衝材を詰め、ぬいぐるみが動かないようにした
- 送り状の品名は「人形(ぬいぐるみ)」と記載した
- 危険物や食品、液体、電池など禁止物を同梱していない
- 複数箱の場合、封筒を1箱にまとめたうえで備考欄に「2箱口」と記入した
- 送料は元払いで手配した(着払い不可)
- リンク先のページで申し込み方法を確認した
送り先と申込み方法(電話・LINE・メール)
ぬいぐるみ供養のお申込みは随時受け付けています。送付の場合は、上記の宛名でダンボールを郵送してください。持参希望や不明点がある場合は、富士浅間神社まで電話(☎0274-22-2597/受付時間9:30〜11:30、13:30〜17:00)、メール(info@fuji-sengen.sakura.ne.jp)、公式LINEからご相談いただけます。式典の日程は月ごとに変動するため、最新情報は公式ページで確認して予約しましょう。
詳しい申し込み手順や供養の流れは富士浅間神社の「人形供養のご案内(郵送可・毎月の式典)」で確認できます。大切なぬいぐるみを安心して送り出すためにも、準備と梱包をしっかり行いましょう。